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現代的車両は ECU 同士が【連携】する [ドラテクとか]

匿名希望の読者さん(?)から、お便り(?)を頂きました。


現代的(2018年発売)な車両のアレをキャンセルする
装置を付けようと思うんだけど、どーよ?



別にソレが悪いとは言いませんが、せめて【自分がナニをやってるのか】を多少なりとも理解してから購入してお楽しみ頂くほうが良いかと思いまして、物凄い大雑把な解説…と言うほど高尚なものでもないですが、そんな話を書いてみたくキーボードを取った次第であります。

とはいえ書いてる本人も開発者のレベルとして詳しい人間ではないのですが、知ってる範囲でボチボチと、ユーザー的なアレで役に立てばいいなぐらいの話を書き残しておきたいと思います。
制御理論とかもソコまでは知らんので、そういうのを期待した方がいたらゴメンナサイ。





昔は単体的に考えれば良かった
昔といっても完全に機械式な30~40年前の車両ならいざしらず、20年前ぐらいからある【微妙に制御用コンピュータが入ってる】時代のクルマの話です。


昔は大体がアナログ結線だった

(ECU : Electronic Control Unit / 電子制御装置)

そのあたりの年代の車両には、電子制御と言っても原動機(エンジン)やブレーキ(ABS)に ECU というか制御用マイコンが搭載がされてたぐらいなんでは?という気がします。
ちょっと高級な車両(ドイツ勢あたりですかね…?)だと計器盤に表示制御用のマイコンが載ってたりするぐらいじゃないかと。

この頃は大雑把に言うと、原動機が主役で他が脇役というか計器盤なんかは顕著だと思いますが、基本的にはエンジンの状態表示機ぐらいの動き方をしていて、それゆえに結線もアナログ回路で構成されているのが基本だったかと思います。

例えば最高速度リミッターなんかが判り易いかもですが、計器盤の速度を示すのに必要な電圧を一定未満に抑える回路を割り込ませることで【まだ(ギリギリ)最高速度じゃないよー】とかいう方法でゴマかしていたようです。

「電子制御を搭載しています(ドヤァ」とは言いつつも、その電子制御をしている領域が機能単体なのが多かったためだとは思いますが。

  • ECU 同士が連携するなんて無かった
  • 回路がナニをやってるのか判りやすかった
  • アナログ回路で直感的に弄りやすかった

アナログ回路のアレをナニするのは開発者レベルで考える場合は凄い難しいのですが、最終製品において素人が触るあたりの回路は簡単な動作原理になってる事が多いし、そもそも「それだけ」を考えるだけで良かったので簡単といえば簡単でした。




今は ECU 同士が連携する
では現代的なクルマは昔とナニが違うのか?と言われると、電子制御している機能が圧倒的に増えたというのが判りやすい所ではないかと。


殆どの機能に ECU が載ってる&繋がってる

(CAN : Control Area Network / データ通信方式の一種)

図には載ってませんが、例えばエアバッグなんかも電子制御が当然ながら載っていて、データ通信路はECU のモノに応じて違う場合もありますが、何れにせよ現代的な車両はデジタル的なデータ通信路でそれぞれの機能を担当する ECU 同士が繋がってるのは間違いない感じです。

しかして何故にこんなデータ通信を行いたがるのか?と言えば。

  • コンピュータ単体の処理能力向上&価格の低下
  • 1本の伝送路で多様な情報が送信可能

つまり機械(アナログ)式に比べて多機能な割にハードウェアコストを下げて実装できるので一気に普及したという流れだと思います。

一にも二にも部品コストが優先される業界なので、電子制御化が進むのは志方ないことです。

例えば1車種の中でも仕様が違って何かの部品が付いたり付かなかったり…とかいう場合、機械式の場合だと部品構成が違うものを複数パターン作ったりする ≒ 複数の金型やら何やらでものっそいコストが掛かるわけですが、デジタル式にしておけばその手間が物凄い削れる訳です。





データ通信では何を伝えてるのか
【せやかて、言うてそんなに多くの情報もなくない?】とユーザーさんレベルでは思うかもですが、しかして車両の制御に必要な情報って結構多くて。

あとはアレです、北米の法制対応ってアレ。
少し Google 先生に聞けば出てきますが、OBD という「クチ」を用意して車輌情報をユーザーが閲覧できるようにしろというのがあって、車両に関わらず一定の情報を車体側が生成・保持しておくことが求められているのです。

どういう情報が?というのは適当に wikipedia を見て頂くとして、例えばこんな感じです。


え?こんなに?

(この画像の下にも更に列挙が続きます…w)


車速やエンジン回転数は当然のことながら、他にも沢山の情報が常に車内を駆け巡ってるという話になります。

更に言うと、上記の情報に加えて車両特有の制御情報なんかも当然ながらデータ通信路には載ってくるので、信号としてはかなり膨大なモノを伝えてる事になります。

先にも書きましたが、コレを機械式に、全部アナログでデータ表現をしろなんて言われた日には信号線が何本あっても足りません…というか物理的に製品として仕上げるの無理じゃねーかな。


ユーザーレベルとしては、とりあえず結構面倒くさくて手間のかかることをやってるんだなぐらいに理解していただけると幸いです。



話が長くなるので今回はココまで。
次回はこのデータ通信の中身をもう少し突っ込んでみたいと思います。


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